奈良時代に仏教と共に伝わった蝋燭ですが、当時は蜜蝋でできていたそうです。
室町時代に入り、櫨(ハゼ)や漆(ウルシ)の実を用いた木蝋燭が作られるようになりました。
櫨の木の栽培が各藩で推奨されると蝋燭の生産も一気に伸びていきました。
仏様のお供えとしてだけでなくお祝い事や灯りとしても利用され、
用途の幅も広がりを見せました。
花が手に入らない冬の時季には絵を描いた「絵ろうそく」を花の代わりにお供えしたそうです。
明治時代に入って石油系のパラフィンを使った西洋蝋燭の国産化が始まると
和ろうそくの用途は限定され、生産量も減っていきました。
そして、今では櫨の木自体が絶滅の危機にあり、櫨蝋を生産する工場も
和ろうそくの灯心を製作する所も国内で数ヶ所となってしまいました。
そんな中、最近では日本の伝統文化である和ろうそくを継承しよう、
櫨産業を復活させようと活動していらっしゃる方たちがいらっしゃいます。
なちゅらるふぃーるどでも微力ながら和ろうそくや櫨の魅力を
お伝えしていきたいと思っています。